『白鵬の情熱を満足させるものは「後の先」だけだった。』とは朝田氏の評。
その「後の先」は我が無門会空手の「受即攻」でもある。
無門会空手の宗主、富樫会長の弟子とのちょっとした対談(2019.1.31)に極意の片鱗をみる。前田4段との「大坂なおみの試合から受即攻まで(仮称)」についての対談を文字起こしたものから。
(受即攻)
相手がみえた、ボールが見えた、反応ができた。ちょっとしたことがなかなかできないけど、大坂なおみはやったから、不可能ではないですよね。
相手を冷静に見て、相手の突きを、球を冷静にみて、自分の思い通りにうけて、受即攻して、相手が一番打撃を喰らうような場所に打つ。
それはね、失敗して、相手に逆に良いほうにうってしまう可能性もあるしね。0.00何秒かの判断ですよね。無意識の。
ちょっとしたタイミング外してしまった。0.00何秒、もう10cm奥に、あるいは左にいってたら相手の芯を捉えられる、痛い所にバキッつと入るっていう、惜しいなというのありますね。
(心)
大坂なおみじゃないけど、最後の勝利は一歩前に出て、1m前に出て、寄って。
悔しい負けで受けきれなかった一回戦、敗けた悔しい二回戦、どうしようかと迷って約40秒のトイレ休憩。
そのときにその前まではやっぱり勝とうとおもってた気持ちが逆に相手を見えなくしてしまう、そうじゃなくて自分は今、強い人とたたかってるんだ世界№1と戦ってるんだ、この相手と一生懸命戦おうと。とにかく全力を尽くして自分で積極的にむかっていこう。その落ち着いた気持ちと冷静さと
(「後の先」の先?)
それが逆に前にむかっていったときに、大阪なおみも積極的に前に、コート1m中に入って、相手の球にできるだけ近づいて、そうすることによって、相手がわけのわからないところにいかないようにして。
で大打撃を相手に逆に、自分で打ち返した受即攻した技が、相手が受けきれないところにすばやく打ち込む。逆突きも受けて、正確に早めに受けて、たまりにためた逆突きを、一撃を相手が逃げようとしてる前に、よりカウンター的にやるという、難しいですけどね
(実践)
そういうのが見えてくればね。頭の中で理論ができればあとは実践はたしかに難しいんだけども。苦労がはいるけどね。可能性としては、不可能なできごとじゃなくて、可能なんだけどできない、ってのはありますよね。実際できるかできないかは別にしても
近い技。削ぎ落して削ぎ落して、無駄がなくて一撃で受即攻するという。
わざの理論と体感したいという、それは非常にいいですよね。集中が違うんだね、あれ。20cm、30cm先にに剣があって、それが突っ込んでくるくらいの気持ちですからね。
富樫会長が、金子の『白鵬』論で述べてきた技や境地を通過してきたことが分かる。
上記の(サブタイトル)は金子が付けたものです。
その3つめは、『「後の先」の先?』と付けてみた。
テニスでいえば一歩前に出ることで相手の攻撃スペースが狭まる。
打ってきた球に反応できないと逆に墓穴を掘るが、反応力があればその一歩は攻撃的な守りとなる。相手の攻撃技や攻撃心を、受け手側が誘導する。「有利な受けの状況」を自分で作る、仕掛ける。わざと隙をつくる戦術もありえよう。
冨樫会長がユッタリズムで開眼、その後完成させた受即攻の極意へとつながる道。
まとめ出したらこうなって、結構時間とられたけど、相撲の受即攻を知りたかったから、良い学びになった。今、施設利用ストップ(コロナ禍のときの話です)なので座学にと、夜な夜ながんばってみた(^^;
白鵬論は、ようやく次、最後です。
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