top of page
khiro1

生死の境、それが攻脈線(合気06)

「合気道はなぜ強いのか?」から考える武術論(その6)

合気道(ほか伝統武術)はなぜ弱いのか?

伝統武術の構造で述べたように、戦いのあらゆる状況下(複数、武器アリ)を想定して発展した武術であれば、ルールを狭めた戦いにも基本的には適応できるはずである。「古武術が格闘技で良く戦うために」の要訣として以下を挙げる。



1、アダプターテクニック(攻脈線を取り、自分の技が活かせる土俵にして戦う)

2、対抗性運動(約束組手~組手で経験を積む)

3、勇気と出力


各論ごとに章を変える。まずは1のアダプターテクニックついて。

山田編集長が指導のアマチュア生徒らが本場タイでムエタイに挑戦、勝ち越したがなぜ勝てたのか(参照文献P67)。結論を言えば、中国武術の身体操作と戦い方を実践したからだ。


攻脈線とは

そのためには守るべき大事なポイントがある。それはいかに「攻脈線」を取るか、だ。

格闘技では自分の手足が相手の身体に届きやすい構えとなる。しかし武器をもったとすれば…打たれながら打つ、打たれても勇気をふりしぼって前へのシチュエーションは無い。武器を持つ前手を意識して身体を閉じ、相手からの距離を取るようになる。この意識やラインを「攻脈線」と呼ぶ。


伝統武術の特色は、素手においてもこの武術的「攻脈線」を用いるのだ。中国武術が実戦に使えないと考える人は、この「攻脈線」の意識に気付いてないからだ。

ところで格闘技的な「攻脈線」と武術的「攻脈線」は異なる。Aが格闘技者、Bが武術修行者としてのポジショニング考が写真の図、詳細は長くなるのでここでは割愛。




日頃から「攻脈線」を意識する練習と、確実に間合いとポジショニングを取る練習をしていれば、格闘技修行者とスパーや組手を互角にするくらいには短期間でなれるだろう。しかし、「攻脈線」を守ることを忘れたら、伝統武術は全く格闘技に太刀打ちできない。

これは中国武術、合気道ほか、全ての伝統武術が共通に持つ「演武ではうまく行えても実戦では使えない」という悩み。ここで言う実戦とは格闘技経験者の速いワンツー、回し蹴りなどのコンビネーションの攻めを受けきれない、ということだろう。



「攻脈線」を意識して武術の技を活かすための「アダプターテクニック」は、


  1. 「攻脈線」をいかにとるか。

  2. 「攻脈線」が取れなかったときどうするか?


の2点に集約される。骨董品的に古武術を扱う古武術愛好家でとまるのではなく、日用品として扱う、多少の汚れがつくことが器の美を増すという発想で技の応用・研究、そして実践を行っていくべきだ(続く)


引用の文献「合気道と中国武術はなぜ強いのか?(山田英司)」

最初本の表題を読んだとき、型稽古が中心の合気道を揶揄した本かと思ったがそれは誤りで、表題通りの主張が新たな気づきと感動を与えてくれた。整理されたり考えたことを書いていくが、あくまで金子の咀嚼であることご容赦

閲覧数:20回0件のコメント

最新記事

すべて表示

コメント


bottom of page