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  • khiro1

古武術とはなにか。そもそも論(合気03)

「合気道はなぜ強いのか?」から考える武術論(その3)

古武術とはなにか。

古武術とは明治以前の武術でそれを習得、使用を許されたのは武家のみだった。その目的は主君をガードするため。

ヨーロッパの騎士は王を守るガードマンである以前に他国を襲う侵略者(キング同士の戦い)で、そのやり方は基本的に皆殺し。十字軍をみればよく分かる。



日本では基本的に戦うのは武家同士であり他国の民を殺すという発想がない。天皇という頂点があり、武家はその天皇を頂点においた上でだれが覇者になるかを競い合う、ある意味内輪の戦い。西洋とは発想が根本的に異なっていたということ。



その中で培われた武術はいかに負けないか、自分の土地を守るかが基本だった。武士たちの戦いのモチベーションは常にお家の存続。つまり武士とは戦いでなく警備のエキスパートで、日本武術とはそこから発想された守りの技術だ。

なので武術のあり方もディフェンスが基本、いかに負けないかのために技が磨かれてきた。


武士とはプロのガードマン

武士とは自分から攻撃しないし、攻撃されたら受けて即座に反撃する人々のこと。また、プロのガードマンなので1対多という不利な状況であろうと自分が生き残ることを考える。負けてしまえば主君を守れず、家を守れない。家を残すために生き、そしてそのために死ぬ。

無駄な争いを避けるための最も効果的な方法は自分を強く見せないこと。弱そうに見せて相手は油断させ、自分有利の環境を整えたうえで圧倒的な武術力の差で勝つ、というのが理想で、古武術にはそういう小よく大を制す、あるいは気配を覚られないといった守りのエッセンスが詰まっている。



刀を学ぶというと今の剣道のように道場での打ち合いを想像するが、武士が武術を学ぶ場合、弓術からはじまり柔術、剣術は最後。有名な大東流合気柔術は会津藩に伝えられた柔術だけが世に出たが当然、奥伝には剣術もある。現代の合気道でも上級者は剣術や抜刀術を伝えられている。合気道の不思議な技はすべて剣術であり、合気柔術系の特殊な技術が江戸の250年間で発展していった。



現在、古武術のエッセンスは世界中の特殊部隊が学んでいる。彼らは源流が日本の古武術であるこをとしらないことが多いが、技をみれば一目瞭然、すべて日本古武術が元になっている。(サンボ、システマ、クラブマガほか)


そして古武術のエッセンスの一番コアな部分が心の使い方と言える。なにしろ身体に触れれば即死するような武器をもって対峙。刀の切っ先がすっと動くスピードは素人がやっても早いが修行したもの同士がやれば相当なスピードになる。それをかわすのは瞬時の無意識の動きが必要になってくる。

そして瞬時に無意識が動く状況というのはリラックスしていなければ無理だ。命のやりとりをする状況下にていかにリラックスして技を出せるか、その覚悟と心をつくることができるかどうかが勝敗の分かれ目となる。(続く)


  • 武術はそもそも守りの技術

  • 1対多の想定がノーマル

  • 合気道の不思議な技は剣術から

  • 無意識に身体が動くレベルまで技を練る

  • 命のやりとりの場でいかにリラックスできるか


引用文献「武術に学ぶ、一瞬で自分を変える技術(苫米地英人)」

苫米地氏は世界的な脳認知科学者。また上杉家、武士の末裔でもある。整理されたり考えたことを書いてみるが、あくまで金子の咀嚼であることご容赦

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